映画『ジョジョ・ラビット』 戦争の悲痛さを見せながら、少年の成長をユーモラスに描く

洋画

「これはずるい・・・」鑑賞後に思わず私がつぶやいた一言です。

もう、脚本演出の巧妙なのですよ。

映画や舞台を観ても滅多に泣かない性格の私が、落涙しました。

シニカルな笑いに何度も襲われるのに、ジョジョを見舞う運命は壮烈極まりなくて、とてもいとおしく思えるのです。

最後に「もしあなたが映画を作ることを目指している人なら…」と題して、映画作りに興味がありそうな方に向けた私のメッセージをお届けします。

勿論、そうでない方にもためになるものです!

ではでは、作品紹介を!

映画『ジョジョ・ラビット』のあらすじ

第二次世界大戦中のドイツ。ジョジョは、空想の友人アドルフ・ヒトラーと共に、勇敢な兵士を目指す10歳の少年。しかし、彼は訓練でウサギを殺すことができず、臆病者ということで“ジョジョ・ラビット”というあだ名をつけられ、そして訓練中に手りゅう弾で顔に大けがを負ってしまいます。

ジョジョは母親のロージーと暮らす家の隠し部屋に、ユダヤ人少女エルサが匿われていることに気がつきます。

https://youtu.be/QcsMVdGMuII

映画『ジョジョ・ラビット』の登場人物紹介

ジョジョ: ローマン・グリフィン・デイビス 

エルサ: トーマシン・マッケンジー 

アドルフ・ヒトラー: タイカ・ワイティティ  

ミス・ラーム: レベル・ウィルソン 

クレンツェンドルフ大尉: サム・ロックウェル  

ロージー: スカーレット・ヨハンソン 

映画『ジョジョ・ラビット』のあらすじ2(ネタバレ有り)

エルサをゲシュタポにつき出そうか、ジョジョは悩みますが、アルドルフ(勿論、ジョジョの空想の友人として)の助言に従って、交渉に持ち込みます。

そしてユダヤ人の生態をエルザから聞き出し、「ユダヤ人の取扱説明書」を作り始めます。その聞き込みで、エルサにはネイサンという離れ離れになった婚約者がいることをジョジョは知ります。

ジョジョはネイサンのふりをして「別れたい」という手紙を書き読み聞かせます。すると、エルザは泣き出し、胸を打たれたジョジョは「この前のは嘘だ」と再びネイサンのふりをした手紙を書きます。

ある日ジョジョは母ロージーが“自由なドイツ”と書かれたチラシを街にこっそり置く姿を目撃します。ロージーはレジスタンス運動の活動家でした。ナチスの政治に疑問を抱いていたロージーはヒトラーに熱狂するジョジョを案じると共に、ある晩ジョジョにダンスを教えます。

ロージーの留守の間、クレンツェドルフ大尉率いるゲシュタポが突然家を訪れ、捜索をし始めました。エルサを知るジョジョはパニックになりますが、エルサは機転を利かし、彼の姉のふりをします。

大尉は姉の身分証を見ながら、生年月日をエルサに尋ねます。彼女はなんとか答え、ゲシュタポをやり過ごします。

しかし彼女は誕生日を間違えていたことをジョジョに告白します。なんと大尉は彼女を見逃していたのです。

その後、広場に行くと数人が絞首刑にされていました。ぶら下がる中に見覚えのある靴、それは母ロージーのものでした。

ジョジョは母の亡骸を抱きしめることもできず、靴を愛おしそうに見つめながら泣きます。

家でロージーの死を聞いたエルサも悲しみの念に堪えません。

敗色濃厚なドイツへの爆撃が始まります。

ジョジョもユーゲントのジャケットを着て戦おうとします。

しかし戦況は悲惨で、ジョジョの目の前で兵士が倒れ、市民や子どもが爆撃に巻き込まれ、街は崩壊していきます。

そしてジョジョは大尉とともに捕らえられます。

大尉はジョジョのジャケットを脱がせて、わざと「ユダヤ人!来るな!」と呼ぶことで逃がし、その直後に処刑されます。

親友の無事だったのが唯一の救いでした。

家に帰ったジョジョですが、エルサと離れたくないジョジョは最初「ドイツが勝った」と嘘を言います。

しかし、それでもエルサの身を思い、ジョジョはネイサンのふりをして手紙を書き、「会える方法が見つかった」と伝えます。

しかしネイサンはもう亡くなっていたことがエルサから告げられます。

元気付けてくれたことに感謝を述べたエルザに、ジョジョは自分の思いを告白します。彼女の返事は・・・「弟としてなら、愛してる」でした。

ジョジョが部屋に戻るとカンカンに怒ったアルドルフがジョジョを非難します。

しかし、ジョジョは逆にアルドルフを思いっきり蹴り倒し、外に追い払いました。

戦闘が終わり、自由の身となったエルサとジョジョは外に出ます。

そしてかつてロージーが教えてくれたように、ゆっくりとぎこちなく踊りはじめるのでした。

映画『ジョジョ・ラビット』の感想 

男性
男性
第二次世界大戦のドイツを舞台に、思春期に差し掛かろうとしている少年ジョジョの出会いや別れを描いた秀作です。
ジョジョは子供らしく無邪気にナチス親衛隊に憧れ、自らを奮い立たせるため”アドルフ”という空想の友人を持っています。ジョジョの考える”アドルフ”は時にコミカルで常に頼りになる存在として彼を叱咤激励し、困難な目標である親衛隊入隊に向かって勇気を奮い立たせているのです。
作品冒頭のこれだけで、この作品が非常に挑戦的であることがよく解るかと思います。アドルフ・ヒトラーが少年を励まし、ナチス式教育を受ける子供達の姿が明るく楽しく描かれているのですから。
しかしジョジョは訓練中の事故によって後方勤務を余儀なくされてしまうのですが、ある時、彼は自宅に見知らぬ少女が匿われていたことに気付くのです。それも”敵”であるユダヤ人が…。
この出来事をきっかけに、それまでのジョジョの常識や周囲の世界が様変わりしていくのです。
温かく切ないボーイ・ミーツ・ガールであり、一人の少年が挫折や限界を知ることで現実に向き合い、自ら歩み始めるまでを描いた非常に良質な成長譚でもあります。
ホロ苦くも柔らかな甘さが心に残る素敵な作品です。

女性
女性
第二次世界大戦下のドイツを舞台にした、少年と心の友・アドルフ、そして少年のお母さんと家に匿われているユダヤ人の女の子を中心とした物語です。
映画冒頭がビートルズで、この映画が英語で作られているという時点で、根底にある皮肉さを感じられると思います。
この映画は、家の中のインテリアや登場人物のファッションのセンスがとても良くて、特にスカーレット・ヨハンソンが演じるお母さんの服装は色鮮やかでおしゃれです。
男性陣は軍服がほとんどですが、その茶色や緑の地味さとは対照的に、色使いが明るくて目を惹かれます。まさに、映画の中でも太陽のように明るいお母さんを表現しているものだと感じました。
また、家の隠し部屋に匿われているユダヤ人の女の子も、地味な格好ですがとても可愛らしくて、芯のある強い人だというのがよく分かります。
主人公の少年ジョジョと彼女のやりとりも、初めのうちはギスギスしていますが、見ているうちにだんだんと雰囲気が和んできて楽しいです。戦争映画なので、決して全てが明るい内容で進むわけではありませんが、世の中は絶望だけでできているわけではないんだなと気が付ける、いい映画でした。
懸命に生きる子供たち、それを支える大人達の、希望に満ちた物語です。

女性
女性
たとえ世の中が戦争中であっても、子どもはその好奇心や前向きな気持ちを失うことがないのですよね。
主人公の少年ジョジョも強い男やかっこいい制服へのあこがれを持ちながら、自らの経験を通して人間としての優しさを失うことなく真っ直ぐに成長していきます。
女手ひとつでジョジョをこれほど素直に育てている母ロージーのその芯の強さ、かっこよさには敬服です。母がジョジョに、彼の靴紐を結びながら愛の強さについて教えた翌日、ジョジョを残して逮捕され処刑されてしまいます。その胸の内にあったであろう愛を思うと滂沱です。
第二大戦中のドイツというシリアスな舞台設定でありながら、ジョークやユーモアにあふれ、空想の友人をもつ少年の可愛さに微笑し、ユダヤ人少女とのやりとりに青春を感じ、そして最後にみずみずしい感動につつまれる、なんていう戦争映画は唯一無二です。
最後にジョジョを助けてくれる教官には、嗚咽の嵐でした。悲しいけれど、見終わったあとさわやかな感動に心が満ちていました。

女性
女性
新しい視点の、ポップでいて重厚な戦争映画です。最初はポップで可愛らしいコメディ調に、ナチスを扱った戦争映画でこれは大丈夫なのかと戸惑いましたが、視聴後は間違いなくしっかりと作り込まれた戦争映画だなと感じました。
悲惨で痛ましいことを伝える種類の映画とはまた違った視点と描きかたで、とても新鮮なので、その部分だけでも一度は見て欲しいと思えます。
主人公ジョジョはまだ幼い男の子で、しかもヒトラーが大好きです。決してジョジョが悪いやつなのではなくて、普通の少年ジョジョにとってそれが当たり前の世界だっただけでした。
それが様々な経験を通して、当たり前だった世界の見方が変わっていく。ただし、あくまでも10歳の少年の力しかない。
冒頭では戸惑うほどのポップな雰囲気だったのに、最後には涙している、実に良い作品です。

女性
女性
ヒトラーを崇拝する少年が、戦争を経験し成長していく様子を描いたストーリー。
ナチス・ドイツや第二次世界大戦といった重いテーマを扱っているにも関わらず、特に前半部分の作風はとてもポップで笑える場面が沢山あり、それでいて風刺も効いていたのでとても考えさせられました。
前半のコミカルさと後半のシリアスさのバランスがとれており、映画を楽しみながらもメッセージがちゃんと伝わってくるので、戦争を伝える作品としてとても良いと思いました。多くの人に観てほしい映画です。
なんといってもジョジョのお母さんが優しくて強くて暖かくて、凄く素敵でした。ジョジョも最初はへっぽこだけど可愛くて、どんどん成長していく姿には胸を打たれました。

女性
女性
こんな視点観たことがありません。
ナチスドイツの存在理由、それどころか戦争自体の意味さえ知らないような少年が、空想上の友だちのアドルフと悪ふざけのようにユダヤ人を揶揄します。
でも訓練としてウサギを殺せと言われたとき、なぜ?できないよと反発が生まれます。コミカルに戦争の愚かさを伝えます。
母親役のスカーレット・ヨハンソンは戦時中でもおしゃれをし、毎日陽気です。レジスタンスの活動をしながらも、ナチスに傾倒していく息子を叱ったりしません。自分で気づいてほしいのです。
自身もユダヤ人の血が流れるワイティティ監督が、演じながら苦しくなることもあったというヒトラー像。大人は子どもの手本にならなくてはいけないのだと教えてくれます。

女性
女性
第二次世界大戦中のヒトラー政権下のドイツに生きる少年ジョジョ。独特のユーモア表現は評価の分かれるところかもしれないが、監督が選択した表現や手法は、あまりにも重いテーマに立ち向かう1つの手段として成立していると思います。
少なくとも、ドイツ映画ではこのテーマをこのように扱うことは不可能でしょう。戦争というものに対して現代の我々ができる唯一の事は「忘れない」ということであると、このアメリカ映画は宣言しているのではないでしょうか。
戦争の悲惨さ、戦時下の人々の愚かさ、その中にあっても誇りを持って生きる人々の姿は感動的です。母と子が食事をし、踊り、歩く。何気ない日常の風景こそが何よりも大切で美しいものだと感じさせて切ない気持ちになりました。

女性
女性
子供の視点から描かれた戦争、洗脳って恐ろしいなと思わせられます。
大人から与えられる知識をそのまま信じ切っている彼、でも社会の中で過ごしていく中で現実を知り自分自身で考えることが出来るようになった時に大人となったと言えるのでしょう。
両親のことだって家族だからと言ってすべてを分かってはいないものです。母親が処刑されることで今まで信じてきたことが嘘だったと分からされる、そんな悲惨さもまた戦争によって捻じ曲げられているからこそのものです。
戦争はダメだということをこんな可愛らしい雰囲気の作品で紹介できるなんてずるい、幼い少年だからこそ悲惨さは伝わってきました。虐げられていたユダヤ人、でも彼らだって同じ魅力的な人間です。

女性
女性
『ジョジョ・ラビット』は、ドイツ・ナチス第三帝国が舞台であり、当時のヒトラーユーゲントに憧れる10歳の少年の半年間の成長が、まるでウェス・アンダーソンの世界のようなシュールなタッチで、また時にロベルト・ベニーニの『ライフ・イズ・ビューティフル』のようにユーモアを交えて描かれている童話的作品です。
なかでも少年の母親を演じるスカーレット・ヨハンソン、てっきりモンロー的なセクシーアイコンだと思いきや、しなやかな強さを秘めたキレのある演技と佇まい、少年を見守る瞳の優しさが本当に素晴らしいです。
もちろん少年本人も、おデブの友達も良い塩梅の出汁を出しており、ふたりの掛け合いがシビアで切ない、張り詰めたような当時の日常生活に、ほんのりとした救いを与えています。
結果として思わず涙滂沱でほろ苦くも、どこかふわりとした後味に仕上げた、自らアドルフ演じるワイティティ監督(父親がマオリ系、母親がロシア系ユダヤ人)の、ヘイトではなく愛と寛容を、という思いが通奏低音のように流れていて、さりげなくチャップリン(『独裁者』)とロベルト・ベニーニに敬意を表している気がしました。ライフ・イズ・ビューティフル。

女性
女性
イマジナリーフレンドがヒットラーなんてすごい設定だけど思った以上に面白かったです。
子どもってすぐに何かを神聖視するというか、なんかハマっちゃうことあるよねと思いました。
ヒットラー役を監督さん自らしているというのも、監督さんの意気込みを感じられて面白いなと思います。それに役者じゃないとは思えないほど、演技がうまかったです。
また、ナチス史上主義だった子がユダヤ人の少女と関わって考えを変わっていくところがよかったです。
結局、彼はよくわからずにナチスを敬愛していたんだなと思いました。そういうことが戦争中は多々あったと思います。
いろいろ考えさせられる話だけど、ちゃんと笑いどころがあって、気楽に見れるから、子どもにも見てほしい映画だなと思いました。

男性
男性
『ジョジョ・ラビット』を見て、本作はドイツの第二次世界大戦時(ナチス・ドイツ時代)を如実に描いた作品だなぁと感じました。
ドイツは今では凄く平和でヨーロッパの中でも医療技術や経済が発展している国のイメージがありますが、日本同様厳しい時代もあったということなのです。
ドイツの人々も当時のナチス・ドイツに洗脳され、立派な兵士となり国に忠誠するこそ正義であるということを説かれ、毎日の生活の苦しさを我慢しながら、教えに従って来ました。
その当時の苦労の様子を本作を通して学ぶことが出来ます。ジョジョラビットという名前は教官に馬鹿にされてつけられた主人公の名前であり、主人公の子供時代から大人になるまでの成長過程にも注目して頂ければ本作を楽しめると思います。

男性
男性
見終わった後、言葉にならないくらい泣いてしまった最高の戦争映画でした。ここまで笑って泣けて最後は前を向こうと思える戦争映画に出会える事はないと思ってます。
前半はもう、ジョジョとヒトラー、たまに現れるヨーキーやキャプテンKとのやり取りがとってもほっこりします。
ジョジョはもう演技がうますぎます。ジョジョとヨーキーはここまで素晴らしい子役なら、配役として受かるのも納得です。ジョジョのお母さんのスカーレットヨハンソンも最高です。陽気で優しくて心が綺麗で素敵です。この映画素晴らしい役者しかいません!
そして後半です。もう衝撃の展開に涙が止まりません。やはり戦争映画なんです。ダークな一面が何度も見えます。その度に心が辛いです。でも見終わった後は光が溢れます。
そんな素敵な映画ですよ。

女性
女性
『ジョジョ・ラビット』は登場人物一人ひとりを見ても、ステレオタイプには程遠い複雑さを持った人たちです。
10歳のジョジョがヒトラーに熱狂する姿は、今で言えば、ヒーローに無邪気に憧れる少年の姿に似ています。
しかし、崇めているのは世界史上類を見ないほど、とんでもないことをした権力者。これだけでも、私たちは複雑な思いを抱きます。
人は決して単純ではないことを知っている私たちは、この複雑さが巧みに物語の展開に生かされていることに感動するのです。
私が落涙したのは終盤の市街戦のシーンで、クレンツェドルフ大尉が劇中で設計していたどう見ても役立たなそうな手作りの兵器を抱えて戦うシーンでした。

映画『ジョジョ・ラビット』まとめ

この作品は観る人を、いい意味で複雑で入り組んだ感情にさせ続ける作品です。

脚本に興味がある方はスクリプトドクターの三宅隆太さんが提唱している「逆バコ起こし」(作品の節目ごとのエピソードに区切る映画の分析方法)を是非是非お勧めします。

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