こんなにも崩れ落ちた香取慎吾を見たことがありますか? 映画『凪待ち』喪失と再生を描いた壮絶な物語

邦画

 今回ご紹介するのはこの映画。

重厚感があり、心の芯に響く『凪待ち』。どうしようもない悲しみから生まれる狂気、切ない暴力と、一握りの純情をリアルな描写で完成させた、孤高の映画が誕生しました。

物語の主人公、“絶望”を繊細に、激しく演じたのは、元SMAPの国民的アイドル香取慎吾。かつてないほどに汚れ、解き放たれた破壊力は今作そのものを映し出す。

なぜ、主人公の恋人は殺されなければならなかったのかー。誰が?なぜ?

次から次へと容赦無く襲いかかる絶望に、悶え苦しみながらも真っ向からぶつかりあう、魂揺さぶる映画。きっとあなたもボロボロに打ちのめされること間違いなし!

この記事を読んで少しでも興味を持っていただけたら、是非動画視聴サービスを使っての鑑賞をオススメします。

映画『凪待ち』のあらすじ

 定職に就かずダラダラと過ごし、趣味のギャンブルに明け暮れる主人公、木野本郁男(香取慎吾)は、ある日ギャンブルから足を洗い、恋人である亜弓(西田尚美)の故郷であり今作の舞台・石巻へ戻ります。石巻での新しい生活を営むために、郁男は印刷会社へ、亜弓は美容院を開き、平穏な生活の第一歩を歩もうとした矢先、、、

亜弓とその娘の美波(恒松祐里)が互いに衝突してしまい、家を出てから戻らなくなります。必死に落ち着かせようとする郁男。

しかし、「自分の子供じゃないから、そんな暢気なことが言えるのよ!」と罵倒されてしまうのです。

郁男は苛立ち、車から亜弓を降ろします。この結果が最悪の事態を招くことにー。

なんと、車から降ろした亜弓がその夜、遺体となって郁男の元に帰ります。

「何者かに殺害された」という衝撃の事件が、今作の幕開けとなります。

自分のせいで亜弓は死んだー。と自暴自棄になる郁男。

人生のどん底に突き落とされた男は、如何にして再生の道を歩むのか。続きは本編をご覧ください!

https://youtu.be/cFhJwWEgzoE

映画『凪待ち』の登場人物紹介

 ・香取慎吾(木野本郁男)

恋人とその娘と共に、石巻で再出発を決意する。

・西田尚美(昆野亜弓)

郁男の恋人。美容師。病気の父が住む、故郷である石巻で、美容院を開業する。

・恒松祐里(昆野美波)

亜弓の娘。母の亜弓には反抗的であるが、郁男にはなぜか懐いている。石巻では定時制の高校に通っている。

映画『凪待ち』の見どころ

とにかく、暴力的な描写が多いです。いちいち身構えてしまうほどに。

『孤狼の血』という、バイオレンス映画を手掛けた白石和彌監督がメガホンをとった作品なだけに、過激でした。

しかし主演の香取慎吾は、違和感を感じさせず役にはまり込み、演じ切った印象を受けました。テレビのバラエティで見せる穏やかな笑顔は片鱗も見当たらず、映画に写るのはただ暗く、口下手で不器用な中年の男です。

しかし香取慎吾を初め怒りや悲しみ、心理的葛藤を表情に、セリフに、忠実に表すキャストたちが、物語の荘厳さを一層表すものとなっていました。

殺人事件にフォーカスを当てず、一人の男の“喪失と再生”に注目すると、より一層楽しめる作品でないでしょうか。

感想

男性
男性
ハズレ知らずの男・白石和彌がまた新たな傑作を生み出してくれました。原作モノでも十分面白い作品を撮ってきたが、ココに来てオリジナル脚本。で、これまたスゴク面白い。
『凶悪』や『孤狼の血』の例に漏れず、本作もまたヘヴィ級の一撃が臓腑にズシンと直撃。
何と言っても主演の香取慎吾が国民的アイドルの面影を振り切って、圧倒的に化けて見せたのがスバラシイです。
本作の熱演は『ハットリくん』や『こち亀』で罰ゲームのようなコスプレを披露していた過去を無かったことにしてもお釣りが来ます。ギャンブル依存症の恐ろしさも疑似体験させてもらったし、どん底から這い上がる男の逞しさというか、どんなにヘマを重ねても生きていこうと決意する諦めの悪さみたいなのを、全身で文字通り体現していたと思います。
父親役の吉澤健、娘役の垣松祐里も見事な存在感です。最後まで目が放せない展開も良かったです。

男性
男性
主人公の木野本郁男はギャンブル好きで、毎日ふらふらと生き甲斐もなく生きているのを見兼ねた恋人亜弓が、実家のある宮城県石巻市に引越して、環境を変えようと提案しますが、亜弓の娘美波は亜弓の提案である引越しをする事に不服を抱きます。
石巻には末期がんを宣告されていますが、漁師を続ける亜弓の父勝美ともうまくいかずに複雑な人間関係を描いています。
ある日口論になった亜弓と美波になり、家を飛び出したまま夜遅くになっても帰ってきませんでした。心配した亜弓が郁男と一緒に美波を探しに行く車内で口論になり、郁男が亜弓を車から降ろしてしまい、何者かに殺害されてしまいます。
この事件をきっかけに順風満帆だった仕事場でも犯人扱いを受けた郁男がどんどんギャンブルにのめり込み、とり返しのつかない事になります。
どん底まで落ちた郁男が、どう再生していくかのストーリーです。
白石和彌監督作品ですので、アウトローな世界もありますが、家族とは、生きるとはなど観ている人に問いかけているような部分がたくさんあり号泣し続けてていました。
東日本大震災で大きな爪跡を残した石巻の映像描写がとても美しいのでその点も注目して観て頂きたいです。

女性
女性
殺人事件の被害者になってしまった恋人を守ることができなかった、と自分を責め続ける男性。
その恋人の連れ子との関係は良好だったことから、これからもずっと一緒に生活をする決意をするが、ギャンブル好きが仇となってしまいます。
こういう話ってリアルに感じますが、まさか恋人を殺害した犯人が身近にいて、しかも自分に親切にしてくれていた男性だった、というのは衝撃的でした。
また物語の舞台となったところが東日本大震災の被災地でまさに漁港ということもあったので、その点もリアルだと思いました。
震災の時に全てを失ったということもこの作品には大きな影響を与えていたと思います。
せっかく再スタートを切ろうとしていたのに、ギャンブル好きの性格とギャンブルに溺れるような環境というのが本当に憎いです。
ギャンブルに溺れる環境ではなかったら、また違う展開になったのにな、と思ってしまいました。

女性
女性
ギャンブル・アルコール依存症、立派な病気です。どれだけ頑張ってやめようと思っても病気なのですから自身の力でどうにかなるようなものではありません。
それでも頑張ろうとする主人公を演じるのは香取慎吾くん、明るく元気なイメージの彼のまた違った魅力が引き出されていたと思います。
幅広い演技の出来る役者さんなのです。頑張ってもそれが報われないというのは現実にもよくあること、ですがあまりに悲惨なことの連続で観ているこちらも喪失感や憤りを感じました。
リリーフランキーさんがまたすごい、退廃的な雰囲気の映画にはピッタリです。
底辺の生活をしていると考え方もいびつなものになっていくのかもしれません。底の底に陥っていって、でも主人公の彼は立ち直ろうというところで物語を終えますから悲惨な話ながら希望は見いだせる作品となっています。

女性
女性
どんなに周りに良くしてもらっても競輪から抜け出せない依存症の現実が生々しく描かれています。
クズ男と周りの人々のドラマとして観ると良い映画です。しかし、「誰が殺したのか」というコピーからサスペンスという認識で映画を見ると期待外れです。
犯人の殺害の動機や逮捕に至った経緯はあまり描かれていません。
香取慎吾さんがアイドルらしからぬ大変良い演技をされていました。しっかりその辺のおじさんです。
亜弓が亡くなってから郁男の目が死んでいて、競輪のシーンはただのヤケクソで観ていて苦しいです。
一方で美波とゲームをするシーンなどは郁男の優しさや穏やかさが全面に出ていて好感しかありません。ダメ男だけど憎めない男を上手く演じていました。
個人的に好きなシーンは郁男が喧嘩をして暴れ回るところです。香取さんの野生の熊のような迫力に圧倒されました。

映画『凪待ち』まとめ

いかがでしたか?

“凪”というのは、要は物事が落ち着いている様、穏やかである様を表す言葉です。

今作は、そんな穏やかな生活を“待つ”男の物語を、是非あなたにも見届けて欲しいと思います。

気になった方は、是非動画視聴サービスを使ってご鑑賞ください。

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